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筋肉痛について…

筋肉痛は筋肉組織の部分的な損傷や炎症です

 筋肉痛の一番の原因は、筋肉組織の部分的な損傷や炎症になります。激しい運動をすると筋線維や結合組織などが損傷することになります。その損傷を修復しようと痛みの出る物質(発痛物質:カリウム、ブラジキニン、ヒスタミンなど)が神経を刺激したり、炎症を起こしたりして痛みが出るのです。
その他の原因は、というと…。

少し前まではこんなふうに考えられていた

 筋肉というのは、脳からの信号によって伸縮し、それによって複雑な動きをしたり、強い力を生み出すことができます。そのため多くのエネルギーが必要で、糖分や脂肪分を燃やして燃料にしています。
 運動をするとエネルギーが消費されて、酸素や栄養を供給する血流が不足してしまいます。それにより痛みを受ける神経が敏感になるので、大量のエネルギーの燃えカス(老廃物や乳酸)が体内に蓄積され、筋肉内が酸性に傾き、筋肉の収縮が妨げられるので、筋肉に痛みや腫れ・熱を感じる症状が筋肉痛です。
 もっともな説明ですね。でも、現在は否定されています。

ここからなぜか、乳酸についてのお話を簡単に…

 日常生活でも乳酸というのは作られていますが、通常はそれほど多い量ではないので、血液が回収して体外へ排出することが出来ます。
しかし運動をすることによって血液が回収できる量を上回る乳酸が作られるので、血液中に残ってしまいます。乳酸が溜まると筋肉が固くなってしまうので、スムーズに伸縮をすることが出来なくなって痛みや炎症を引き起こすことになるのです。(昔の定説)

乳酸を溜め込まないようにしましょう

 乳酸は、けっして悪い物質ではなく、脳神経系では重要なエネルギー源なのです。筋肉運動で乳酸が増えるといっても一時的なものであり、この乳酸は、エネルギーを生み出す重要な物質でもあるのです。
 この乳酸をうまく利用することで疲労を軽減させることもできるので、溜め込まないようにしましょう!
※乳酸については、お話のコーナーで詳しく説明していますので、
乳酸について…【その1】はこちら > 

 また筋肉痛は、必ず筋肉だけに原因があるとは言えません。筋肉に繋がっている腱や、腱が骨にくっついている部分に炎症が起こっているときでも痛みが出ることがあります。
少し難しかったかもしれませんが、こういうことが、自分の身体の中で知らないうちに起こっているのですよ!

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